ひるねスカッシュ

日々の雑記。面白かった本や映画など。ミニマリスト。

島田荘司「幽体離脱殺人事件」の感想

お疲れ様です。ひるねスカッシュです。

さてよう〜やく読み終わりました、島田荘司先生の「幽体離脱殺人事件」。1989年に発表された作品です。

最初は、一体なんだこれは、と思って全然読めなかったんですよね。主婦のわけのわからんたわごとが延々続く感じで。初めの20〜30%くらいのとこでギブアップしちゃってたんですけど、他の積読本がここのところだいぶ消化できてきたので、その勢いで再挑戦して読み進めました。 

途中、半分くらいのところから謎の展開が始まり、どうなるんだこれは?!と気になってそこからは割と一気に読んでしまいましたね。

そしてさっきようやく読み終わったので、その感想。

東京在住の主婦が京都在住の旧友に呼び出されて向かう途中、鳥羽の昔好きだった男のところに行きたくなりそこで自分のドッペルゲンガーに遭遇する的な内容です。

自分が殺人を犯したと思い込まされ、破滅させられかけるといったお話なんですけど。

読後感が不気味でしたね。犯人やトリックは割とサクッと明かされるんですけど。

犯人の異常性が最後まで際立ってちょっとゾッとなります。

あと、なんか作中の関西弁が、違和感ありました。「わて」とか「〜まんねん」みたいな、すっごいこてこての感じ。昔の作品だしそこらへんは愛嬌です。

島田荘司「Pの密室」読了。

名探偵・御手洗潔の少年時代の事件。

「鈴蘭事件」と「Pの密室」を収録。

この本を読んでいる間、何度か中断して他の本を読んだり色々なことをしていたため、細かいところはよく覚えてないです。

しかし先ほど「Pの密室」を読み終えて、とても悲しい読了感だったため感想を書きたいと思いました。

一部ネタバレを含む可能性があるため、未読の方はご注意ください。

 

この殺人事件の犯人は決して悪人ではなく、むしろ、弱くて善良な人であり、逆に被害者は殺されても仕方がないと思うほどひどい人間でした。

御手洗少年は紛うことなき天才で、どんなパズルも瞬時に解いてしまうけれど、果たしてこの事件を解明してしまう必要があったのかな?とも思いました。

夢枕獏「空手道ビジネスマンクラス練馬支部」読了

面白かった。ヤクザに絡まれ街中でボコボコにされた挙句土下座させられ、情けなさから強くなろうとして空手を始める42歳サラリーマンのお話。

これも昔読んだ本だけど、最近Kindleで買って再読。

細かなところはほとんど忘れていて、こんな話だったんだーと初めて同様の気持ちで読めました。

脇役それぞれにまでちゃんとストーリー、人生があって良かった。

柏木、秋葉勘九郎、今江など皆魅力があります。

しかし昔のサラリーマンっていうのはこんなにしょっちゅう外で飲んでたの?こんなことしてたら全然お金貯まりませんよ。。。それも大事なコミュニケーションなんだろうけど、私は健康のため完全にアルコールやめました。

あと、自分も去年末から空手を始めたのだけど、とてもこの主人公のようにはのめりこめないと思う。

ヤクザにボコボコにされたみたいな強烈なきっかけもないし、仕事も家事もあるし、時間の問題。

そんなことを考えながら読んでました。

夢枕獏先生はこの小説のために大道塾に一日入門して取材されたそうです。流派は違いますが、大道塾、空道にも興味が湧きました。

今野敏「チャンミーグヮー」を読みました

「チャンミーグヮー」。

伝説の唐手家・喜屋武朝徳(きゃん ちょうとく)の生涯を描いた小説。

著者の今野敏先生はご自身も空手をされているようで、武術・武道の造詣も深く非常に読み応えがあり、沖縄唐手の歴史や形の意味についても勉強になります。

喜屋武朝徳は若い頃は無頼の日々も送るが、ある事件をきっかけに自分は手(ティー)に生きるのだと心に決め、その強さと純粋さが人々を惹きつける。

「武士猿(ブサーザールー)」の主人公でもある本部朝基は朝徳の親友であり、よきライバルとして描かれている。

なんのために生きるのかわからずさまよった若い日々、そこから天命を悟って唐手に全てを捧げた後半生は感動的。深く感銘を受けました。

このような偉大な先達のおかげで今日、日本の武術は継承されているのだとわかります。

今野敏「武士猿(ブサーザールー)」感想

以前読んだ「義珍の拳」と同系列の琉球唐手シリーズ。

伝説の武道家本部朝基(もとぶ ちょうき)」の生き様を描いた小説。

「義珍の拳」にも登場していたけど、かなり違った印象でした。

沖縄武術「唐手(トゥーディー)」を極め、本土の人間にも本物を伝えようとしたひたむきな生き方に胸を打たれました。

ガチで寒いです

おはようございます。

私は朝起きた時の、枕元に置いた温湿度計機能付き目覚まし時計が指し示す気温を目安に、その日の寒さを判断しています。

今朝は室内気温6.1度。

あかんわこれ。

ガチで寒いやつですわ。

室内で6度って。

私は瞬速で厚着してストーブつけました。

Yahoo天気もチェックしました。今日の最低気温、静岡県-1℃だそうです。

あかんわこれ。

車の窓凍るやつですわ。

マイナス1度って。

寒さに極端に弱い自分。

去年末にめっちゃ寒い中、窓全開の空手道場で稽古してたら、翌日から1週間風邪引いてました。

ちょっと待って。いくら換気のためとはいえ、なんで窓全開?

寒いに決まってるじゃないですか。

でも師範のやることに文句を言うことはできませんから、寒さに堪えてやるわけですけども。

翌週の稽古、休みましたからね。風邪引いて。

比較的温暖な浜松市でもこんな、寒い寒い言ってるわけなんですが、心配なのは地震の被災地ですね。

今度の震災は本当にひどいことで、被災された方々には言葉も見つかりません。

しかし政府の対応は、一体なんなんですかね。

あいつら一体、なんかやってるの?

遅々として進まぬ対応。

なんにもやらない一方で、岸田総理、新年会とか出てたんでしょ。

そんなことやってる場合ですか。新年会、出ないでください。あなた国のトップなんですから、全力で災害の対応してくださいよ。

なんか、こんなに災害に対して、「なんにもしない政府」、ボランティアには「混乱の元になるから来るな」って遮断しておいて、そのくせ自分たちは何もしない、放置してるっていうのは、怒りが湧いてきます。

ボランティアの人をうまく組織して、働いてもらうっていうのも、政府がやればいいことでしょう。

あまりの無能ぶりにびっくりしました。

夢枕獏「魔獣狩り 鬼哭編」感想

読みました。

夢枕獏の「魔獣狩り 鬼哭編」。初期の3部作の最終巻。

本当に鬼気迫る物語で、10代の頃に読んだんですけど、改めて読み返して、凄いなあと思いました。

凄愴。凄惨。残酷で恐ろしい物語なんだけど、一抹の美しさと寂しさがある。

自分を取り戻すため、復讐の鬼となって戦い続けた文成は、自分を取り戻せたのか?復讐は叶えられたのか?

結局それは挫折して、彼は巨大な喪失をした状態、心にぽっかり穴が空いた状態で、一旦物語は終わってしまいました。

空海の「不老不死」の謎もなんだか宙ぶらりんだし、、、結局、不老不死なんてものはなかったっていうことなんですかね?空海のミイラに残ってたのは人間の欲望が極度に肥大したもので、それが黒御所に乗り移ってああなったっていうこと?

なんかわかったようなわからないような…。

文成は、やってることめちゃくちゃなんだけど、憎めない。なんとかして救われてほしいと思う。

私同様にそう思った読者も多かったのでしょう、結局この後も何十年にも亘って、物語は続いていくことに…。

というわけで、さっそく続編も読んでいきたいと思ったのでした。

作者の獏さんもあとがきで「新たな物語もまた文成から始められるべきであろう」とか言ってて、めっちゃ煽ってます。この商売上手。